エイジングサインとして肌に現れる変化の代表的存在といえる、ほうれい線。
小鼻の両脇から唇の両端に向けて斜めに伸びるほうれい線は、どうしても気になってしまうものですよね……。
また、ほうれい線があるとせっかくのメイクがよれやすくなることや、実年齢より老けて見られがちなことから、悩んでいる女性も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、”女性の美の大敵”ほうれい線ができるメカニズムと予防方法、ほうれい線を解消する方法について詳しく解説していきます。
見た目年齢がグッと上がってしまうほうれい線は、なぜできる?
最近では、歳を重ねても若々しく美しい、”エイジレスな美魔女”と呼ばれる女性も多くなってきましたよね。
けれども、いくらスタイルがよく、メイクテクニックもファッションセンスも抜群で若々しい女性であっても、ほうれい線があるとどうしても見た目年齢はグッと上がってしまいがちです。
では、ほうれい線は、一体なぜできるのでしょうか?
加齢に伴って、真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減少してしまう
肌の弾力は、真皮にあるコラーゲンやエラスチンと呼ばれる繊維が網目状に張り巡らされることによって生み出されています。
けれども、残念ながらこの2つは年齢を重ねるごとに減少していき、その結果、真皮の中が緩んでしまうのです。
そして、その緩みが肌表面に現れたものがほうれい線なのです。
表情筋が衰え、萎縮してしまう
真皮の下層には、表情筋があります。
表情筋とは、その名の通り喜怒哀楽など様々な表情を作り出す筋肉のことですが、長年クセになっている表情があると、知らず知らずのうちに萎縮してしまうことがあるのです。
表情筋が衰えてしまうと、肌にたるみが生じやすくなり、それがほうれい線の原因になる場合もあります。
脂肪組織の増減の影響
肌も体と同じように、体重の変化による影響を受けます。
これは、太ったり痩せたりすることによって脂肪組織の構造が変化するからです。
特に、リバウンドが多いほど肌にシワやたるみが多くなる傾向があり、ほうれい線もできやすくなります。
誤ったスキンケア
洗顔やクレンジングする際に、肌をゴシゴシと擦っていませんか?力を入れて肌を擦ると、それが刺激となってほうれい線の原因になるのです。
また、刺激から肌を守ろうとする働きで肌の厚みが増して、乾燥やくすみ、毛穴の目立ちにつながります。
そもそもの肌質
肌がうるおいに満ちているとハリと弾力が生まれ、ほうれい線などのシワを押し返してくれます。
しかし、もともと肌が乾燥ぎみの場合、肌のハリと弾力が低下し、ほうれい線が深くなりやすいのです。
ほうれい線がくっきり目立ってしまう3つの原因
できてしまったほうれい線は、以下の原因でさらに目立つようになります。
ほうれい線に悩んでいる方は、以下の原因を把握しましょう。
肌のたるみ
ほうれい線は、肌のシワだと思っている方も多いかもしれません。
しかし、実はほうれい線は「肌のたるみ」によってできるものなのです!
ほうれい線がある方が仰向けに寝ると、肌がピン!と張って目立たなくなることからもわかります。
つまり、ほうれい線は、頬が重力に負けてたるむことによって現れるものです。
自分にとって間違ったメイクをしている
素顔ではほうれい線が目立たないものの、メイクをするとほうれい線が気になるというケースもあります。
溝になっているほうれい線は立体感があるため、ファンデーションが溝の部分でムラになって悪目立ちするのです。
一方、そばかすやシミはファンデーションでカバーできるのは、肌の平面な部分にできるためです。
肌が乾燥している
先に述べたように、乾燥肌の方はほうれい線が目立ちやすくなります。
肌の乾燥状態や季節や日によって、ほうれい線の目立ち具合が変わることがあります。
「冬になるとほうれい線が目立つ」、「日によってほうれい線の深さが違う」という方は、肌が乾燥している証拠といえるでしょう。
また、ほうれい線は鼻と唇の動きと連動しており、肌が乾燥するとほうれい線が跡になりやすくなります。
ほうれい線は20代でも出るって本当?
ここまでで、ほうれい線ができる原因は、肌の乾燥とたるみであると説明しました。
したがって、肌にうるおいとハリ、弾力がある20代は、ほうれい線ができないと思うかもしれません。
しかし、ここで知っておいてほしいのが、ほうれい線は、早い人であれば20代から現れるということです。
「頬の毛穴が目立つようになってきた」「小鼻の横に影ができる」、そんな症状がほうれい線のできはじめであることも多いのです。
また、ほうれい線は目立つ人・目立たない人がいます。ほうれい線が目立ちやすいのは、次のような人です。
- 食事の際に、食べ物を片側だけで噛むクセがある人
- うつむきがちな人
- いつも横向きで寝ている人
小さな習慣であっても、長く続けているとほうれい線が目立ちやすくなってしまうので注意が必要です。
ほうれい線の予防・解消には、4方面からアプローチしていくのが効果的!
ほうれい線の予防や、できるだけ薄く目立たなくするためには、以下の4方面からアプローチしていくのが効果的です。
スキンケア
スキンケア面では、「肌を乾燥させない」「極力紫外線を浴びないようにする」ことが大切です。
ほうれい線ができる原因のひとつである真皮の衰えを防ぐために、十分な保湿ケアやUVケアを心がけましょう。
スキンケアコスメ選びでは、肌の真皮にあるコラーゲンを増やす働きのあるレチノールやビタミンC誘導体成分が含まれているものを選ぶのがおすすめです。
食事
バランスのよい食事を心がけつつ、スキンケアと同じように、食事も真皮の衰えを防いでくれるようなものを選ぶようにしましょう。
具体的には、以下のような成分・栄養素が含まれている食べ物がおすすめです。
ビタミンC
ビタミンCは、ピーマン、レモン、芽キャベツ、ゴーヤなどの野菜や果物に多く含まれています。
コラーゲン
コラーゲンは、手羽先やレバーなどの動物性食品や、うなぎやカレイ、アジなどの海洋性食品に多く含まれています。
ビタミンA
ビタミンAの主要成分であるレチノールは、鶏・豚レバー、うなぎ、乳製品、卵などに多く含まれています。
マッサージ
ほうれい線予防には、ほうれい線ができる部分の真下にある大きな血管(顔面動脈)を刺激するマッサージが効果的です。
蒸しタオルなどを顔にあてて血流を良くしてから、ほうれい線に沿って指や手のひらをあて、顔面動脈をやさしく刺激してみましょう。
なお、年代別に適した、ほうれい線に効果的なスキンケアとマッサージ方法を紹介します。ほうれい線をなるべく早くケアしたい方は、次の章もチェックしてみてください。
エクササイズ
ほうれい線には、口の周りにある口輪筋を鍛えるエクササイズが効果的です。
口の中に空気をたっぷり含んでから口を閉じ、その空気を右→左→上→下というように転がしていく感覚でエクササイズしてみてください。
このとき、できれば鏡に向かってほうれい線の状態をチェックしながら行うのがおすすめです。
【年齢別】ほうれい線対策に効果的なスキンケア&マッサージ法
20代から現れるほうれい線は、年代に合った対策方法があります。
そこで、20代~40代の年代別で効果的なほうれい線対策を紹介します。
20代は保湿ケアが肝心!
20代でたるみが起きにくいため、しっかり保湿ケアするとほうれい線が目立なくなります。
しかし、20代のほうれい線は肌の乾燥に加え、以下のことも原因と考えられます。
- 表情の癖
- 噛み方の癖、歯並び
- 冷えとむくみ
- ダイエットによる栄養低下、筋力の低下
20代のほうれい線対策は、保湿ケアで乾燥を改善するとともに、生活習慣の見直しも必要です。
上記の原因に心当たりがあるものは、なるべく改善できるように心がけましょう。
30代からスキンケアを変えよう!
30代から徐々に肌のたるみが起こりはじめるため、20代よりもほうれい線対策に力を入れる必要があります。
30代で起こるたるみは、鼻のキワや頬が多く、口もとまで現れることは稀です。
しかし、早めにほうれい線対策をしておくと、40代以降の肌が変わってくるでしょう。
30代に必要なほうれい線対策は、肌の土台となるコラーゲンやエラスチンの変性を防ぐことです。
これらが変性する原因は紫外線で、コラーゲンやエラスチンの変性と減少に加え、加齢による繊維細胞が老化してほうれい線が深くなります。
30代のほうれい線対策は、レチノールやビタミンC誘導体など、美容成分を配合したスキンケアが効果的です。
これらの成分は、コラーゲンやエラスチンを増やし、変性を防ぐ効果が期待できます。20代と同じスキンケアをしても、30代に適したほうれい線ケアができないので注意が必要です。
また、紫外線対策も並行し、ほうれい線の悪化を防ぐとより良いでしょう。
40代はマッサージとエクササイズを併用
40代になると、コラーゲンとエラスチンの変性と減少により、本格的に肌のたるみが起こります。
そして、口周りの筋肉の低下という原因が重なるため、より本格的なほうれい線対策が必要です。
40代からのほうれい線対策は、スキンケアによるコラーゲンやエラスチン対策と並行し、リンパマッサージとエクササイズを行ないましょう。
リンパマッサージで老廃物の排出と血行促進効果により、皮膚のたるみ予防に効果的です。
そして、口元の筋肉を鍛えると、ほうれい線の解消に働きかけます。
そこで、ほうれい線対策になるリンパマッサージ、口元の筋トレ方法をそれぞれ紹介します。
ほうれい線に効くリンパマッサージ
- フェイスライン…3本指で口角から耳の下に向かい、小さく絵を描きながら引き上げ耳の前のくぼみを軽く押す
- 額…3本指で眉間からこめかみを小さな円を描きながらマッサージ
- 目もと…3本指で下まぶたの目尻から目頭、上まぶたの目頭から目尻へと、やさしく円を描きながら指を滑らせる
- 頬…頬に手のひら全体をあて、下から上に圧をかけながら引き上げる
- 首…首を下から上に撫で、耳の下から鎖骨へとリンパ液を流す
リンパマッサージをする際は、化粧水で肌を整え、マッサージクリームなどで肌の滑りを良くしてから行ないましょう。
口元の筋トレ法
- 500ミリリットルのペットボトルに少量の水を入れる
- 唇だけでペットボトルをくわえ、歯を使わずに持ち上げる
- 持ち上げた状態で10秒キープ
- これを3回程度繰り返す
筋トレに慣れてきたら、水の量を増やしてもOKです。ただし、痛みを感じた場合は無理せずに中止しましょう。
ほうれい線消しの効果アップ!唇のエクササイズ法
先に述べたように、ほうれい線は唇周りの筋肉も関係しています。
唇周りにある筋肉を鍛えると口元にハリが生まれ、ほうれい線が目立たなくなる効果が期待できるのです。
唇のエクササイズ方法は実に簡単です。唇を「ほ」の状態にして舌を奥に引き込み、唇を強く締めましょう。
ほうれい線が目立たなくなったら、力を入れた状態で5秒キープします。
これを5セット行なうと、ほうれい線が次第に薄くなるはずです。
まとめ
早い人であれば20代から現れるほうれい線は、肌の乾燥とたるみが原因です。
肌のたるみは、主に加齢によって起きるものですが、予防や解消が不可能ではありません。
コラーゲンやエラスチンの変性を抑えるスキンケア、リンパマッサージや口元の筋トレ、唇エクササイズがほうれい線対策に有効です。
年代ごとに対策法が異なるので、自分に合った対策方を取り入れることが大切です。
また、毎日の食事にも気を配り、ほうれい線が気にならない肌を手に入れましょう。