ヒアルロン酸と聞いてどのような効果を思い浮かべますか?
化粧水や美容液で身近なヒアルロン酸ですから、多くの方は「もっちり」「しっとり」「保湿」などの効果・使用感をイメージできるでしょう。
ヒアルロン酸は体内に存在する大切な成分のひとつで、加齢とともに減少していくことがわかっています。
そこで今回は、ヒアルロン酸が持つ効果や特徴、主成分についてご紹介します。
減少するヒアルロン酸をどのように補えばいいのか、知識を深めていきましょう。
ヒアルロン酸は何からできている?成分が持つ特徴について
ヒアルロン酸という言葉は、今や知らない人はいないほどポピュラーなものとなりました。
しかし、ヒアルロン酸がどのような成分で、何からできているかを理解して使っている方は少ないのではないでしょうか?
まずは、ヒアルロン酸の主成分や特徴について見ていきましょう。
ヒアルロン酸の主成分とは?
ヒアルロン酸とは、「N-アセチルグルコサミン」と「グルクロン酸」と呼ばれる2種類の糖の結合により生成される成分です。
つまり、ヒアルロン酸の主成分は糖であり、ヒアルロン酸そのものも糖の一種に分類されるということ。
人間の身体は食事を通して果糖やオリゴ糖、ショ糖などさまざまな糖を摂取しますが、ヒアルロン酸も例外ではありません。
摂取したヒアルロン酸は身体のさまざまな部位で機能を保つために働いています。
ヒアルロン酸の主な特徴
そんなヒアルロン酸は、高い保水力と粘度を持つことが大きな特徴です。
ヒアルロン酸1gに含ませられる水分量は2リットル~6リットルと言われ、体内のあらゆる細胞に潤いを届けています。
また、水分と混ざることで粘り気や弾性が増すため、ヒアルロン酸によって水分が蓄えられた細胞は、以下のような性質へと導かれます。
- 粘度が高く蒸発しにくい水分を保持する
- 細胞が歪んでも元に戻ろうとする力(弾性)が働く
このような性質を持った細胞は、骨や筋肉のクッションとなったり、潤滑剤として身体の機能をサポートしたりすることが可能。
外見的には、無色透明でにおいがない点が特徴です。弾力のあるジェルやスライムをイメージすると良いでしょう。
では、そんなヒアルロン酸が体内でもっとも活躍するのはどの部位なのでしょうか?
ヒアルロン酸が機能する場所はどこ?身体の目・皮膚・関節との関係や役割
ヒアルロン酸は主に、目・皮膚・関節で重要な役割を果たしています。
それぞれの部位との関係や役割を見ていきましょう。
目に存在するヒアルロン酸の機能と役割
ヒアルロン酸は、目の硝子体(しょうしたい)となって眼球を丸く保っています。
硝子体とは、目玉のなかに詰まっているゼリー状の組織のこと。
つまり、人の目の大半はヒアルロン酸からできているということです。
目薬にヒアルロン酸が配合されているケースが多いのも、こうした目の作りや組織を知っていると納得できるのではないでしょうか。
皮膚に存在するヒアルロン酸の機能と役割
人の皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層から成り立っています。
ヒアルロン酸はこのうち真皮に多く含まれ、皮膚の水分保持役を担っています。
ヒアルロン酸が減少して真皮から水分が失われると、表皮に次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 皮膚組織が乱れて表皮(肌)のキメが崩れる
- 表皮(肌)のハリが失われ、シワ・たるみ・毛穴が目立つ
- 表皮(肌)が乾燥する
関節に存在するヒアルロン酸の機能と役割
膝や肘などの関節もヒアルロン酸によって機能が保たれています。
関節は大きく分けて「骨」「軟骨」「関節液」の3つから機能し、ヒアルロン酸はこのうち軟骨と関節液に含まれています。
骨同士の衝撃や摩耗を防ぐ軟骨、衝撃吸収や関節の動きをスムーズにする関節液にとって、ヒアルロン酸は欠かせません。
人間の身体には約260個もの関節があると言われていることから、動作の大部分をヒアルロン酸が支えているといっても過言ではありません。
ヒアルロン酸は「加齢」により減少する!失ったヒアルロン酸を補うには
目・皮膚・関節を中心に、ヒアルロン酸は身体のあらゆる機能を支えていることがわかりました。
重要な役割を持つヒアルロン酸ですが、実は加齢とともに減少します。
特に40代後半に入ると体内のヒアルロン酸濃度が低下しはじめ、あらゆる部位に劣化が見られるようになります。
ヒアルロン酸が減るとどうなる?
- 目:
ヒアルロン酸の減少や粘性の低下により、目の衰えを感じやすくなります。
視界が歪む、にごりや影が見えるなどの症状に注意しましょう。 - 皮膚:肌のハリやツヤが失われ、シワ・たるみ・毛穴が目立ちやすくなります。
これらは代表的なサインでもあるため、肌の変化を感じたらヒアルロン酸を積極的に補う意識が大切です。 - 関節:クッションや潤滑剤としての機能が低下し、膝や肩、股関節など負担がかかりやすい関節に痛みを感じやすくなります。
放っておくと痛みが増し、症状が悪化するため注意しましょう。
体内のヒアルロン酸を補う方法
失われたヒアルロン酸を補うには、次のような方法があります。
目薬
ヒアルロン酸配合の目薬は眼球を保護できるため、医療機関でも取り入れられています。
ただし、体内のヒアルロン酸を補うという点では、継続的な効果は見込めません。
食事
ヒアルロン酸が豊富に含まれている以下のような食材を選ぶことで、日々の食事から体内のヒアルロン酸を補うことが可能です。
- 手羽
- 軟骨
- 豚足
- カレイ
- フカヒレ
- うなぎ
- オクラ
- 納豆
化粧水(美容液)
肌のヒアルロン酸を補うのに有効です。
真皮層(角質層)に効率良くヒアルロン酸を届けるため、浸透性に優れた商品や低分子ヒアルロン酸が配合された商品を選ぶことがおすすめです。
ヒアルロン注射
関節のヒアルロン酸を補うのに有効です。
関節注射ともいい、炎症を抑えて痛みを軽減したり、関節の可動域を広げたりするために行うのが一般的です。
マイクロニードル
肌のヒアルロン酸を補うのに有効です。
マイクロニードル状のヒアルロン酸シートを貼ることで真皮層に効率良くヒアルロン酸を注入できます。
シワやたるみが気になる箇所にピンポイントでアプローチできる点が魅力です。
まとめ
ヒアルロン酸は目・皮膚・関節など、身体の多くの部位で大切な役割を持つ成分です。
加齢とともにヒアルロン酸が減少するとさまざまな劣化サインが出やすくなるため、効果的な方法を用いて積極的にヒアルロン酸を補っていきましょう。