夏の肌のテカリ・べたつきの原因とは?
屋外では紫外線が一年の中で降り注ぐ量が最も増え、室内ではエアコンによる空気の乾燥にさらされるため、夏は、肌にとってハードな季節です。
そして、テカリやべたつきに悩まされがちですが、それは皮脂の過剰な分泌が原因。
ではなぜ、夏に皮脂の分泌量が増えてしまうのでしょうか?
冷房による乾燥
エアコンの内部にある熱交換機には、熱を吸収して室内の温度を下げるという働きがありますが、同時に空気中の水分も一緒に吸い取ってしまうため、室内が乾燥してしまいます。
外の空気が乾燥すると、肌の一番表面にある角質層も乾燥しがちになってしまうのです。
そして、角質層が乾燥すると、皮膚の表面をバリアで覆い、皮膚にもともとある水分をこれ以上に蒸散させないようにと、皮脂の分泌が活発になります。
発汗
汗をかくと、水分と一緒に皮脂も分泌されます。水分は蒸発してなくなってしまいますが、皮脂は肌の表面に残ったままになります。
また、汗の水分が蒸発するときには、もともと肌にある水分も一緒に奪ってしまいます。
乾燥から肌を守ろうと、皮脂の分泌がさらに促進されてしまいます。
気温の上昇
気温が高くなると生理機能が活発になり、皮脂腺の働きも盛んになります。
さらに皮脂は油なので、温度が低く寒い状態だと硬くなり、暑くなるとより柔らくなり肌表面に流れやすくなります。
さらに、夏に限ったことではありませんが、ホルモンと皮脂の分泌量とは密接な関係にあります。
40代を過ぎてホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌量のコントロールが困難になってしまうことも。
過剰に分泌されてテカリやべたつきを引き起こしたり、また逆に分泌量が減ってドライスキンになったりすることもあります。
油断大敵!肌のケアをしないと起こるトラブルとは?
テカリやべたつきを放置していると、化粧くずれをしやすくなるだけでなく、様々な肌トラブルを引き起こしかねないので要注意です。
過剰な皮脂の分泌が引き起こしやすい肌トラブルとして、主に3つ挙げられます。
大人ニキビ
ニキビを作るアクネ菌にとって、皮脂は絶好の栄養。
皮脂が多いと、その分アクネ菌が増殖しやすくなります。
毛穴に詰まった皮脂が酸化して黒ずんで見える黒ニキビ、皮膚の内部に皮脂の塊が閉じ込められて炎症を起こした赤ニキビなど、大人のニキビは治しにくく厄介です。
つぶしたり繰り返しできたりすると、跡になって残るリスクも高まります。
毛穴の黒ずみ
皮脂の分泌量が多いと、毛穴が押し広げられて、毛穴が目立ちやすくなります。
さらに黒ニキビと同様、毛穴の中の皮脂が酸化して黒く変色すれば、黒いポツポツができてイチゴ鼻とも呼ばれる状態に。
またターンオーバーの乱れのせいで、本来はアカとなって剥がれ落ちる角質がいつまでも皮膚の表面に残っていると、皮脂と混ざりあって角質となり毛穴を詰まらせてしまうことにもなります。
キメの乱れ
皮脂が酸化すると、過酸化脂質という刺激物質に変化します。
肌への諸悪の根源である過酸化脂質が起こす問題のひとつに、肌のターンオーバーが異常に早まるという現象があります。
不完全な角質細胞が皮膚の表面を覆うことになってしまうので、肌がごわついたりキメが乱れたりして、肌のバリア機能を低下させてしまいます。
すると潤いのキープ力も衰えてしまうので、肌の乾燥が進行してしまいます。
夏にすべき脂性肌のケアは、「アフターケア」と「保湿」が大切!
皮脂は、本来ならば肌にとって必要なものです。
テカリやべたつきが気になるからといって、洗浄力の強い洗顔料を使用したりゴシゴシ洗いをしたりするのはNGです。
低刺激の洗顔料で、摩擦で皮膚を傷つけないように優しく丁寧に汚れと皮脂を落としましょう。
洗顔後のお手入れで特に重要なのは、紫外線を浴びた後のアフターケアと、十分な水分補給です。
紫外線は、皮脂の分泌量に影響を与えるだけでなく、皮脂の酸化を促します。
皮脂の過剰な分泌を防ぎ、黒ニキビや黒い毛穴を目立たせないためには、徹底したUVケアとアフターケアが不可欠です。
紫外線を浴びてしまった後のアフターケアには、化粧品によるケアが有効的です。
たとえば、ビタミンC誘導体やウマプラセンタ、レチノールなどのブライトニング成分をミクロの針状に結晶化させているような化粧品があります。
気になるパーツに貼って一晩寝れば美白成分がジワジワと角質層に浸透し、紫外線によるダメージを肌に残さず、透明感やハリをサポートします。
肌のターンオーバーのケアをすべく、週2回のケアを2ヶ月間継続的に行うのがおすすめです。
また、肌の乾燥が皮脂の過剰な分泌を促すので、日頃からしっかりしておくべき保湿を、夏季には特に重点的にする必要があります。
高濃度の国産ヒアルロン酸をマイクロニードルに凝縮させているような化粧品なら、抜群の保湿効果があるものの肌に浸透させにくいとされていた高分子の保湿成分を、角質等の隅々にまで届けることができるように。
一晩貼れば、肌に潤いのヴェールが張られ、朝にはモッチリとしたハリのある肌に満足できるはず。