シミ、そばかすができる原因とは?
私たちの肌にダメージを与える紫外線。夏場は特に強くなる紫外線の中でも、肌に影響するものはUV-AとUV-Bの2種類があります。
UV-Aは波長が長いことが特徴です。
そのため、皮膚の真皮層にまで到達してコラーゲンやエラスチンに傷つけることで肌の弾力を失わせ、たるみやシワの原因となります。
反対に、シミやそばかすの原因となるのがUV-Bです。
UV-Aのように皮膚の奥には入り込まないものの、UV-Bが皮膚の表面に当たることによって、シミやそばかすのもとになるメラニン顆粒の色素細胞が大量に生成されます。
メラニンは、紫外線の刺激から細胞を保護しようと皮膚が自己防衛のために生成するもので、本来ならば悪者ではありません。
ただし、量が多すぎると、対応しきれなくなってしまいます。
ターンオーバーの周期が乱れておらず、皮膚細胞の生まれ変わりがスムーズであれば、余分な色素はやがて垢や老廃物と一緒に角質層の表面から剥がれ落ちます。
しかし、ターンオーバーが乱れていると色素は皮膚の上に留まり続け、やがてシミやそばかすとなって沈着してしまうのです。
シミ、そばかすの違いとは?
シミとそばかすの違いは、できてしまう原因が遺伝的にあるか否かということです。
シミは、紫外線や加齢などによって引き起こされる後天的なものであるのに対して、そばかすができる主な原因は遺伝的なものです。
親にそばかすがある、またはあった場合は子供もそばかすができる可能性が高くなり、地黒の人よりもともと色白の人にできやすい傾向にあります。
とはいえ、シミとそばかすが全くの別物という訳ではありません。
そばかすといえば、1~4㎜の斑点で幼少期から思春期にかけてできやすく、成人になってからは加齢とともにだんだんと薄くなっていくのが特徴ですが、紫外線によるダメージの蓄積やホルモンバランスの乱れが原因でできる肝斑、紫外線と加齢による肌のバリア機能の低下が主な原因でできる老人性色素斑などと同様、すべてシミの一部とされています。
そばかす、肝斑、老人性色素斑とは、その原因や特徴に多少の違いこそありますが、紫外線を浴びることによって悪化すること、肌のターンオーバーをケアすることで悪化が防止できるという点で共通しています。
出産後にできるシミ、そばかすもある?
妊娠中は、美肌ホルモンとも称されるエストロゲンという女性ホルモンの分泌が活発です。
おかげで肌のハリを作り出すコラーゲンやエラスチンが正常な状態に保たれ、さらに肌質劣化を招く活性酸素の過剰な発生を抑えることができます。
産後は、エストロゲンが急激に減少するだけでなく、出産の疲労に授乳や育児による寝不足などが重なり、肌のバリア機能や免疫力が低下しがちです。
そんな時の肌は無防備なので、外部からの刺激に弱くなり、防御しようとして生成された色素が沈着してシミができやすくなります。
また遺伝的な理由でできやすいそばかすも、女性ホルモンのバランスの変化や睡眠不足によって症状が悪化するので、目立ちやすくなることがあります。
シミ、そばかす対策に効果があるものとは?
シミやそばかすを作らない、または目立たせないようにするための対策として心掛けたいことは4つ。
ポイントは、紫外線をシャットアウトすること、そして、浴びてしまった紫外線によるダメージを残さないように肌の新陳代謝をサポートすることです。
紫外線対策をする
シミやそばかすを作り出す色素を皮膚細胞内で大量発生させないためには、紫外線を直接肌に浴びないのが一番の対策です。
外出時には日焼け止めクリームを塗り、長袖の服・帽子・サングラスを着用して肌の露出を控えるようにしましょう。
日焼け止めクリームは、効き目を重視する場合は、シミやそばかすの原因となるUV-Bから肌をガードするSPFの数値が高いものを、また肌への負担を極力抑えたい場合は、紫外線吸収剤を含まず、紫外線散乱剤のみを使用したノンケミカルのものがおすすめです。
食事に気を配る
メラニン色素の沈着を抑制するビタミンC、新陳代謝を促進するビタミンAは意識的に摂取したい成分。
ビタミンCは、赤・黄ピーマンやブロッコリーなどの野菜、キウイやレモンなどの果物に、またビタミンAは、豚肉、鶏肉、卵黄に豊富に含まれています。
ストレスをためない
ストレスや疲労によって、肌の健康を支える女性ホルモンのバランスは崩れがち。
特に黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンの分泌が増えてしまうと色素細胞が刺激され、それ以前では目立たなかったシミやそばかすが現れてしまうことも。
心身ともにリラックスできるよう程よい息抜きと、質の良い睡眠が不可欠です。