ドライヤーをかけると抜け毛がたくさん落ちている…、という状況を誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
「ドライヤーをかけない方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、自然乾燥はかえって抜け毛を引き起こす原因になるのです。
今回は、ドライヤー中の抜け毛の原因と自然乾燥による悪影響、抜け毛を予防する正しいドライヤーの使い方について解説します。
ドライヤーで抜け毛が起こる原因とは
ドライヤーをかけると抜け毛が起こるのは、以下の原因が挙げられます。
通常の抜け毛の一部分
人間の髪は、古い毛が抜けて新しい毛が生えるという、生え変わりのサイクルをくり返しています。
そのため、1日に50~100本程度の毛が抜けることが通常で、ドライヤーをかけたときに、1日分の抜け毛の一部がドライヤー中に抜けただけという可能性が濃厚でしょう。
また、シャンプー中に1日分の抜け毛の大半が抜けるため、ドライヤー中の抜け毛が多いと感じるのです。
開いたキューティクルが閉じる
髪のキューティクルは濡れると開いた状態になり、乾くと閉じるという性質があります。
濡れた髪はキューティクル同士で引っかかった状態になり、ドライヤーで乾かすとキューティクルが閉じることで、抜ける予定だった髪が落ちやすくなるのです。
ドライヤーの熱によるダメージ
ドライヤーから吹き出る熱風は100℃~120℃と高温で、吹き出し口から少し離しても70~90℃ほどの熱があります。
その熱を当て続けた場合、頭皮と髪を乾燥させて抜け毛が起きることが考えられます。
ドライヤーなしの自然乾燥は抜け毛の原因に
ドライヤーの熱は頭皮と髪に少なからず悪影響を及ぼすため、「ドライヤーをやめて自然乾燥にすればいいのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、髪が濡れたまま放置すると、水分が蒸発する間に頭皮の熱が奪われてしまいます。
冷えた頭皮は血行が悪くなるため、栄養が行き渡らず、抜け毛を引き起こす可能性があるのです。
また、濡れたまま頭皮は雑菌が繁殖しやすく、フケ、かゆみ、においの原因になったり、カビが生えて頭皮が炎症したりするケースがあります。
頭皮環境のバランスが崩れることも、抜け毛を引き起こす原因の1つです。
そして、濡れた髪はキューティクルが開くとお伝えしましたが、自然乾燥はキューティクルが開いたままになり、髪を傷めてしまいます。
髪が絡みやすくなったり細くなったりする原因になり、ブラッシングなどが刺激となって抜け毛が起こるのです。
このように、自然乾燥はあらゆる側面から抜け毛を引き起こす原因になるので、シャンプーのあとは必ずドライヤーを使うことを心がけましょう。
抜け毛を防ぐ正しいドライヤーのかけ方
普段のドライヤーのかけ方に少し手を加えると、ドライヤーが原因の抜け毛を予防できます。
髪のダメージの軽減にもつながるので、以下の手順を今日から取り入れましょう。
しっかりタオルドライする
ドライヤーをかける前にタオルドライをしっかり行い、髪と頭皮の水分をなるべく減らすことがポイントです。
ドライヤーをかける時間を短縮でき、熱によるダメージを最小限に抑えられます。
ただし、タオルでゴシゴシと拭くと、開いたキューティクルが傷むので、頭をタオル包み、押すように水分を取りましょう。
ドライヤーの前にブラッシングをする
ドライヤーをかける前にブラッシングをして、濡れて絡まった毛を解かすことが重要です。
細かいブラシは髪が引っかかりやすいので、目の荒いブラシを使いましょう。
ただし、ドライヤー中のブラッシングは髪を傷める原因になるので、必ず濡れた髪に行うことが大切です。
また、髪の摩擦を抑えてブラシ通りがよくなる、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)をブラッシングの前に塗るのもおすすめです。
ドライヤーの熱から髪を守る効果もあるので、髪を傷めずにドライヤーできます。
ただし、頭皮に塗るとべたつきや抜け毛の原因になるので、頭皮を避けて髪だけに塗ることが大切です。
ドライヤーを20cmほど離し根本から乾かす
ドライヤーをかける際は、吹き出し口から20cmほど離し、髪の根本から乾かします。
1か所に長くあて過ぎないように、位置を左右に移動させながら、まんべんなくドライヤーをかけましょう。
最後に冷風で荒熱を取る
髪が全体的に乾いたら、最後に冷風で荒熱を取りましょう。
頭皮にこもる熱は頭皮が乾燥する原因になるので、冷風で温度を下げて抜け毛を予防します。
また、キューティクルを閉めてツヤが出る効果もあるので、ドライヤーの最後のルーティンとして取り入れましょう。
まとめ
ドライヤーをかけると抜け毛が多く感じるのは、1日分の自然な抜け毛がシャンプー中に集中すること、ドライヤーをかけるとキューティクルが閉じて落ちやすくなることが要因です。
ただし、ドライヤーをかけ方によっては、熱で髪と頭皮にダメージを与えて抜け毛が起きるので注意しましょう。
ドライヤーをせずに自然乾燥をすると、抜け毛はもちろん、髪の傷みや頭皮環境の悪化につながります。
正しいドライヤーのかけ方を行い、ドライヤーによる抜け毛や髪のダメージを軽減しましょう。