美肌は体の内側と関係が深く、外側からのスキンケアだけでは足りません。
体の内側が健やかになることで、シワやシミ、たるみといった年齢肌の悩みの解消が期待できます。
美肌を目指すなら食生活を変える必要があり、ビタミンEは意識してとってほしい栄養素の一つです。
しかし、「ビタミンEでなぜ美肌になるの?」、「ビタミンEをどうやって補給すればいいの?」、という疑問を持つ女性も多いでしょう。
こちらでは、ビタミンEが肌に与える働きと、ビタミンEを含むおすすめの食べ物と食べ方、ビタミンEの摂取量について解説します。
ビタミンEの働きがもたらす美肌効果
ビタミンEの働きと、具体的な美肌効果について見ていきましょう。
ビタミンEの働きとは?
脂溶性のビタミンEは細胞膜に存在し、活性酸素から細胞を守る「抗酸化作用」が高いのが特徴です。
活性酸素は体内の細菌を駆除する働きがある一方、量が増え過ぎると健康な細胞にダメージを与えることで老化を招きます。
抗酸化作用は活性酸素を除去するだけでなく、血栓の予防、ホルモンバランスの調整など、美と健康に欠かせない栄養素といっても過言ではないでしょう。
【ビタミンEの美肌効果】アンチエイジング
ビタミンEの代表的な美肌効果は、抗酸化作用によるアンチエイジング効果でしょう。
体内の脂質が酸化する過酸化脂質はアンチエイジングの大敵で、ビタミンEの抗酸化作用で酸化を予防する効果が期待できます。
シミやシワ、たるみといった年齢肌を食い止めるため、今からでもできるアンチエイジング対策としてビタミンEが効果的です。
【ビタミンEの美肌効果】ニキビの予防
ビタミンEにはホルモンバランスを整える働きがあり、過剰な皮脂の分泌によるニキビの予防に効果を発揮します。
大人の女性に多いアゴのニキビに悩む方は、ビタミンEを積極的にとりましょう。
また、ホルモンバランスが整うと、生理不順やPMS、不妊、更年期の症状の緩和など、さまざまなよい影響をもたらします。
ホルモンバランスの乱れが原因のニキビはストレスも関係しているので、生理前でも元気に過ごせることでニキビの予防につながるでしょう。
【ビタミンEの美肌効果】血行促進による肌荒れの改善
ビタミンEは毛細血管を拡張し、血行を促進する働きがあります。
血液がしっかり全身にめぐることで酸素と栄養が行き渡り、肌荒れやニキビの解消につながります。
また、血行不良が原因の肩こり、冷え性、頭痛なども同時にケアできるので、毎日を元気に過ごせるでしょう。
ビタミンEが多い食べ物と効果的な食べ方
ビタミンEの豊富な食べ物と、ビタミンEを効率よく吸収できる食べ合わせを紹介します。
ビタミンEが豊富!おすすめの食べ物
ビタミンEが特に豊富な食べ物は、以下ものが挙げられます。
- 魚介類…うなぎ、ツナ缶(オイル漬け)、イカ、ブリ、サケ、アユ
- 野菜類…モロヘイヤ、カボチャ、赤パプリカ、ほうれん草、アボカド、サツマイモ
- 油脂類など…アーモンド、落花生、ひまわり油、オリーブ油、ごま油
この中で含有量がトップの食べ物は「アーモンド」で、次に多い「モロヘイヤ」の約5倍という豊富なビタミンEを含んでいます。
アーモンドは調理が不要で手軽に食べられるので、おやつをお菓子からアーモンドに変えるのもいいですね。
ビタミンEは油との相性抜群
ビタミンEは脂溶性ということもあり、油と一緒に調理をすると吸収率がアップします。
炒め物や揚げ物など、食材に合う調理方法で食べるのがおすすめです。
ただし、油が古いとビタミンEの効果が劣るので、調理の際は新しい油を使いましょう。
オリーブ油やごま油にもビタミンEが含まれていますが、古くなると油が酸化し、老化の原因になる過酸化脂質を作りだします。
そのため、油を開封したら、2~3ヵ月を目安に早めに使いきりましょう。
一緒にとると吸収率がアップする食べ物
ビタミンEは単体よりも、ほかの栄養素と一緒にとると吸収率がアップするのが特徴です。
そこで、ビタミンEと一緒になると相乗効果を生む栄養素とその働き、おすすめの食べ物をチェックしましょう。
乳製品
牛乳や生クリーム、チーズなどに含まれる乳脂質と、脂溶性のビタミンEが結合することで吸収率が高まります。
ビタミンEは加熱に強いビタミンなので、乳製品と一緒に調理しても安心です。
ビタミンC
抗酸化作用があるビタミンCとビタミンEが合わさると、抗酸化作用がさらにパワーアップします。
ビタミンEが体内に入ると活性酸素とすぐに結合し、抗酸化作用が弱まったところを、ビタミンCの抗酸化作用がカバーしてくれるからです。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、加熱する料理は短時間で済ませましょう。
ビタミンEが豊富な食べ物にレモンを絞る方法は、もっとも手軽な方法でおすすめです。
ビタミンA
ビタミンEには、目の働きを助けるビタミンAの効果を高める作用があります。
ビタミンAは網膜を健康に保ち、ドライアイや眼精疲労の改善効果が期待できます。
うなぎ、レバー、ほうれん草は、もともとビタミンAとEの両方が含まれています。
1度で2つの栄養素がとれるので、スマホをよく使う、デスクワークで目を酷使するといった方におすすめです。
眼精疲労は目の周りの筋肉が緊張して険しい表情になるうえに、目の下のクマ、肌のくすみの原因になります。
顔の見た目年齢が上がってしまうので、眼精疲労を招くスマホの使いすぎには注意しましょう。
セレン
セレン(セレニウム)とは、体内の酸化を防止する働きがある成分で、マグロやワカサギなどの魚介類や肉類、卵、乳製品などに多く含まれています。
抗酸化作用を持つビタミンCと同様に、ビタミンEと一緒にとることで抗酸化作用がさらに高まります。
ビタミンEの摂取量はどれくらい?
1日当たりの摂取量の目安は、男性で6.5mg、女性で6mgとされています。
ビタミンEがもっとも豊富なアーモンドで、10~20粒程度が1日の目安です。(※アーモンド10gのビタミンEは約3mg)
これは必要摂取量というわけではなく、ビタミンEの栄養状態に問題がない目安量になります。
一方、過剰摂取による健康被害を防ぐ目安量(耐容上限量)は、「1日800mg」までです。
そもそもビタミンEは2/3が便と一緒に体外に排出されるため、食事でとる範囲で過剰摂取のリスクはかなり低いからです。
ただし、食事に加えてビタミンEのサプリを飲む場合、過剰摂取で健康に影響を与える可能性があるので注意しましょう。
まとめ
ビタミンEは活性酸素を除去する高い抗酸化作用があり、シミやシワなどのアンチエイジングに効果が期待できます。
女性にとって心強いホルモンバランスを整える働きや、病気につながる血栓の予防など、健康的な生活を送るのにビタミンEは欠かせない栄養素です。
ビタミンEの美肌効果はアンチエイジングのほかに、大人ニキビの予防、血行促進による肌荒れや肩こり、冷え性など、体の内側から美肌に働きかけてくれます。
ビタミンEはアーモンドをはじめ、野菜、魚、肉、果物など幅広い食べ物に含まれています。
ビタミンEの吸収率を上げる食べ方や、相乗効果を生むほかの栄養素と一緒にとると、単体でとるよりも一石二鳥の効果が期待できます。
また、ビタミンEは基本的に多くとっても体に影響がないので、毎日意識してビタミンEをとりましょう。